突然謎の光に包まれ、見覚えのない街たどり着く。
恐ろしい呻き声が聞こえて、あたりを見渡せばゾンビのような化け物に囲まれていた。
絶体絶命の瞬間「アナタがマレビトか？」
安部晴明の使いという4人の男性に声をかけられる。
平安に似て異なる世界「那由多国」は、呪術や魑魅魍魎がいまだに息づき、
都である「蒸安」は、安部晴明率いる陰陽師たちが妖を祓い、都を守っていた。
ある時、荒餓鬼というゾンビのような、死体が動きまわる新たな鬼が現れ人々を脅かし始める。
安部晴明と源頼光は帝の勅命を受け蒸安守護職を組織し、
青龍白虎朱雀玄武からなる陰陽師と武士の精鋭部隊を集めた。
蒸安守護職に選ばれた彼らは、荒餓鬼から蒸安京を守るため戦いに身を投じることになる。
全体相関図
キーワード
私たちの知る平安時代とはちがう蒸気革命がおきた異界の平安「蒸安京」。帝の治世のもと、藤原氏が朝廷を動かし、平氏や源氏などの武家の台頭が始まっている。蒸気の力により煌々と照らす宙に浮く照明、高くそびえる建物、轟音たてて吹き上げる蒸気機関などの技術が発展し、「歌仙衆」などのアーティスト化した歌人たちが、民を楽しませるなど文化も発展している。一方、妖や怨霊、鬼などが息づき民を脅かすこともあるため、陰陽師や密教僧が呪術による守護が必要になっている。
蒸安守護職
荒餓鬼に対応するため、中務省にある陰陽寮と馬寮（陰陽師と武官）の人員を動員して作られた。
紅野山 真行寺
護法をなす密教僧の集団。僧侶としての勤めをしながら、人々（主に女性）たちの苦しみや迷いを晴らす特別説法を行い、もてなしている。
夜鯨衆
都からの異国船にたいする略奪許可証を持つ海賊。外国船略奪許可を持つ代わりに、海軍としての海上防衛任務を請け負う。
「六十四卦蒸気算術機」通称＜算術機＞巨大な星見・天球儀。未来予測を演算する。動力は蒸気機関でつくられるエネルギーを、命運石からえらえる呪力（魔力）で増幅し、演算能力を高めている。主に都における防衛システム（結界）の呪術プログラムを中心にあらゆるものに使われている。
朝廷が管理する謎多き守護石。術や力のブーストができる特殊な守り石として渡されている。蒸安守護職など都を特別に守る者に、本体から削りだされた一部が貸与されている。
菅原道真らが提唱した蒸気革命によって文明は急速に発展した。都全体に蒸気エネルギーを送るため、蒸気エネルギー生成装置とそれを冷ますため冷却装置（水が必要）があり、その冷却で作られた温水を活用した大浴場、温泉街が存在する。蒸気機関車も作られ、蒸安京を中心に地方の主要都市につながっている。
蒸安京のなかで音楽活動を行う者たち。中には人々の平穏を守る象徴し蒸安京公認のユニットが存在する。「蒸安響楽団」と呼ばれ、男性5人組の藤組、女性5人組を桜組と呼ぶ。他にも、あらゆる人々が歌仙ユニットを結成し、都は賑わっている。
古からいる妖や鬼などの物の怪らと同じ手法で祓うことのできなかった新たなる脅威。＜荒餓鬼（こうがき）＞と呼ばれている。蒸安の都の新たな脅威として、陰陽師の安部晴明（あべのせいめい）や鬼退治に優れた源頼光（みなもとのらいこう）が朝廷から任命され、特別対策部隊として＜蒸安守護職＞が設立されることになる。